「ウォシュレット」
A「どうも〜、いやあ、ついにこの前ね‼︎うちの家のトイレのウォシュレット機能が故障してしまいましてね‼︎最近じゃそこらへんのトイレにもウォシュレット機能をつけられていますし、やはり自分の家にも便利だからつけてたんですけどね‼︎」
B「、、、、お前、ウォシュレット壊れたんか?」
A「そう、壊れちゃったのよ、それでね、ウォシュレットの機能がないとモヤモヤするんですよ」
B「お前、正気か⁉︎‼︎」
A「おいおい、どうした?急に?」
B「ウォシュレット壊れたのか?トイレのウォシュレット壊れたのか⁉︎‼︎それでこうしてお前は平気な顔して生きていられるのか⁉︎」
A「そんな興奮すんなよ‼︎ウォシュレット無くなってもまあちょっと困るぐらいなもんだよ」
B「ちょっと困るぐらい?お前の精神力は化け物か‼︎‼︎恐ろしい男だな‼︎豪傑だよ‼︎ウォシュレット無くなったら俺は生きていられるのかどうか、、、」
A「ウォシュレット無くなったぐらいで何言ってんの?」
B「両親の仲が悪かった俺の家は、いつも嫌な雰囲気でつつまれていた、様々な悩みや、感動したこと、色々なことを俺は親に話したかったが、とても親には相談できない、そんなあ俺の話を聞いてくれたのは、そう、うちのトイレのウォシュレットだけだった」
A「、、、、、、」
B「ウォシュレットは俺にとって兄貴のような存在だったんだ、そのうち俺はウォシュレットと共に寝るようになり、ウォシュレットと一緒に飯を食べるようになった」
A「お前、何を言ってんの⁉︎ウォシュレットを兄貴と呼ぶの⁉︎お前は一人っ子だったけ?」
B「いや、人間の兄貴が二人いるよ」
A「兄貴いるんかい‼︎ならそっちに相談しろよ‼︎」
B「成長するにつれ、進路や恋愛、人間関係、悩みは増えて行った俺の心と肛門を、ウォシュレットは優しく包んでくれたよ、たまにウォシュレットと口論になることもあったよ」
A「ウォシュレットと口論⁉︎どうやってやんの⁉︎」
B「ひどい言い合いになることもあった、しかし、ウォシュレットはそれでも優しかったよ、どんな言い合いになってもボタン一つ押せば、俺の肛門を優しく包んでくれた」
A「そりゃそういう仕組みになっているからね‼︎」
B「俺が一人暮らしを始める時、ウォシュレットとのお別れがきたんだ、俺は泣いたよ、酒と女に溺れたよ、でも何をやっても心は満たされなかったんだ、そして俺はどうすればいいのか迷ってついに分かったんだ」
A「え、どうしたの?」
B「新しいウォシュレットを俺の家のトイレにもつけたよ、ウォシュレットでできた傷は、ウォシュレットでしか癒せないんだ、だから、お前も新しいウォシュレットが来るまで頑張れよ」
A「もういいよ‼︎」